費用が安くすむ特定調停
新しい方法としてご紹介した特定調停はよく似ている任意整理と比較すると費用が安くすむというのが最も大きな特徴です。
裁判によっても若干の違いはありますが、特定調停にかかる費用は1社につき印紙500円と切手代400円程度です。
しかしそれ以外のメリットはあまり見られず、自分で申し立てをするために多くの労力が必要になります。
では、任意整理と比較してデメリットと考えられる点をあげておきましょう。
① 申込書を自分で作成しなくてはならない
内容はさほど難しくなくても一人でおこなうのは不安です。
② 業者に申立書が届くまでは取立が続く
申立には業者に取引履歴の開示を求めてからになります。
③ 何度か裁判所に行かなくてはならない
最低でも2回、債権者が多ければその回数も増えます。
④ 過払い金は取り戻せない
特定調停では過払い金返還を認める調停はおこなっていないので、別途自分でするか専門家に依頼しなければなりません。
⑤ 未払い利息・遅延損害金は支払わなくてはならない
任意整理では将来利息・未払い利息・遅延損害金を支払わなくても良かったですが、特定調停では将来利息以外は支払わなくてはなりません。
⑥ 調停の取り下げも有りうる
調停を申し立て引き直し計算をしたところ、借金返済金額がほとんど減らないなどで調停の成立が難しい場合は調停を取り下げるケースもあります。
その後は個人再生や自己破産を選択する方向で考えなくてはなりません。
このようなことを総合的に見ると、特定調停よりも弁護士や司法書士に任意整理を依頼するケースが多いのもうなずけます。