残高ゼロ方式・推定計算
過払い金を計算するにはどの業者とどういった取引をしたのかが重要です。
そのために司法書士や弁護士などの専門家は業者に対して、取引履歴の開示請求をおこなうのです。
業者には取引履歴を開示する義務があることを最高裁でも認めているので、これを出さない業者は少なくなりました。
しかし、税法上の帳簿の保管期間は7年、商業帳簿は10年となっているため、全ての履歴を手に入れるのは難しいこともあります。
たとえ、業者が取引履歴を出してくれなくても,債務者が契約書や取引明細などを持っていれば、それをもとに引き直し計算をすることができます。
しかし、実際にはこれらをきちんと保管している人は少ないものです。
したがってもし、必要な資料が出て来なかった場合には、「残高ゼロ方式」、または「推定計算」という方法を使って計算をします。
まず、「残高ゼロ方式」は取引履歴の最初の残高をゼロと考え、開示された取引履歴を引き直し計算します。
この方法は業者と依頼者が初めて取引をした時期と開示された取引履歴の最初の取引を比較して、開示よりも5年ほど前から取引がある場合に採用されます。
取引が5年ほどあれば過払い金が発生していることが多いので、業者が開示した時点で元本がなくなっていると考えられるのです。
次に「推定計算」は手元にある資料などに基いて取引を推定し、引き直し計算をします。
資料の中に貸付利率や支払日、支払額、返済期間、返済回数などが書かれていれば、そこから推定して引き直し計算をするのです。
このようにどんな小さなことでも債務整理には必要ですから、債務整理を考えているのならばすぐにこれらを探してみましょう。