神話の崩壊
退職金のカットや大幅減額からローン破綻に追い込まれてしまう方もいます。
バブル期に組んだ住宅ローンの多くは、この先も日本の景気が右肩上がりに上昇し続けるという前提で設定されました。
冬と夏には数か月分のボーナスも出て、退職時には高額の退職金が支給される。
だからこそ日本のサラリーマンは、会社から無理難題を求められても勤め続けてきたのです。
ローン返済もそうしたいわゆる神話に基づいて組まれたのです。
経済成長が続けば、給料と共に土地や不動産も値上がりしていくと考えられていました。
マイホームも購入しておけば値上がりして買い替えもでき、返済も楽になる。
そんな見通しが普通だったのです。
ところがバブルが崩壊しすべてがもろくも崩れ去りました。
給料も上がらずボーナスはカットされ、退職金も予定ほどは出ない。
そうなれば当然ながらローン破綻にならざるを得ないでしょう。
さらに上がり続けると信じられていた土地も下落していきました。
たとえマイホームを手放しても高額の借金だけが手元に残る。
ローン破綻が起きたのはそんな時代の移り変わりのせいだったのです。